前回お届けしたキャラクターデザインの記事では人間キャラにスポットを当てましたが、今回はデジモンに注目します!早速、キャラクターデザインの成り立ちについて歴代プロデューサーに話を聞いてきました。
まずは、新作映画『デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING』に登場するデジモンたち。左から、アルマジモン、ワームモン、ブイモン、パタモン、テイルモンにホークモンです♪
おなじみのデジモンたちのキャラクターデザインは、映画『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』から大きな変更はありません。作品の方向性によってデザインのアプローチが変わる場合もありますが、『LAST EVOLUTION 絆』『THE BEGINNING』では、TVアニメ『デジモンアドベンチャー』『デジモンアドベンチャー02』当時の設定に近いものを目指したそう。
では、新登場するデジモンのキャラクターデザインはどのようにして形になるのでしょうか?『THE BEGINNING』の新キャラといえば、「ウッコモン」!まだ情報がほとんどないウッコモンのビジュアルに着目しながら、制作工程を追いかけてみました。
前回記事でご紹介した人物キャラと同様の流れで、キャラクターデザインの制作工程は大きく2段階に分かれます。1つ目の工程は、「デジモン」としてのキャラクターデザイン。こちらは、デジモンデザイナーの渡辺けんじさんを中心に、アニメスタッフも交え、ストーリーや世界観にそった新デジモンを考える工程です。(ティザービジュアルのウッコモンは、渡辺けんじさんにより描かれたものですね!)
2つ目の工程は、アニメーション用のキャラクターデザイン。1つ目の制作工程で完成したデジモンを、アニメの中で描きやすく動かしやすい立体的なデザインへ落としこむ工程です。様々な角度から描いた「三面図」と呼ばれる資料が作成されたり、オリジナルデザインの設定と齟齬がないかをやり取りしたりして完成へと向かいます。
ウッコモンも、こうした工程を経て誕生しました! 今回はビジュアルに着目しましたが、まだまだヴェールに包まれた謎多きデジモンのウッコモン…。物語の中ではどのように登場するのでしょうか!?
さらに過去の「デジモン」アニメシリーズを探っていると、関プロデューサーから面白いお話を伺うことができました。懐かしい「02」映画、『デジモンアドベンチャー02 前編・デジモンハリケーン上陸!! /後編・超絶進化!!黄金のデジメンタル』。そこに登場するチョコモンとグミモンは、デジモンデザイナーである渡辺けんじさんのラフ画ではなく、山内重保監督が絵コンテで描いた絵が元になり生まれたそうなんです!
通常の工程ではあまりありませんが、この映画の場合は絵コンテから渡辺けんじさんがラフ画を起こし、さらに相澤昌弘さんの手によりアニメ用のキャラクターデザインが作成されたとのこと。アニメ現場ではイレギュラーなことも多々起こるのですね。(右下の素敵な文字は、相澤さんのサインだそうです!)
おなじみのデジモンたちはもちろんのこと、いつもアニメのストーリーを盛り立ててくれる新登場のデジモンたち。誕生の背景には、アニメスタッフや渡辺けんじさん、デジモンチームみんなの綿密な連携があるのだと分かりました。
〈今回のまとめ〉
▶アニメに登場するデジモンは、監督たちアニメスタッフとデジモンデザイナー渡辺けんじさんが一丸となってデザインが完成する!
▶アニメ用のキャラクターデザインは、正面だけでなく多角度からの制作もある!
次回のレポートもお楽しみに♪