デジモン公式ファンコミュニティサイト「デジモンパートナーズ」がオープンしました!
サイトオープンに際して、関係者が集まり座談会を開催。「デジモンパートナーズ」プロジェクトや、今回のサイトの目標、展開するコンテンツについて、改めて語り合いました。
――まずは自己紹介をお願いします。
木下:東映アニメーションの木下陽介です。『デジモンアドベンチャー tri.』の途中からと『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』の、プロデューサーを担当しました。
今回の「デジモンパートナーズプロジェクト」では、プロジェクトの取りまとめ役として、企画を進めています。
水沢:東映アニメーションの水沢優花です。プロジェクトの一環であるサイト「デジモンパートナーズ」の、主にオンラインショップを担当します。
ファンの皆さんの投稿やコメントからもヒントをもらって、より喜んでもらえるグッズを生み出していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
――今まで、どのような作品を担当されてきましたでしょうか?
水沢:『美少女戦士セーラームーン』シリーズや『ONE PIECE』などの、ストア運営・商品企画を担当してきました。
金田:バンダイの金田大空と申します。普段は「メディア部」という部署で「バンダイナムコ デジモンプロジェクト」(※1)のもと、各事業部が「デジモン」商品の企画開発を行うサポートを行っています。
また「デジモン」自体が盛り上がるような、プロモーション業務全般も担当しています。今回「デジモンパートナーズプロジェクト」については、デジモン商品の観点からも、ファンの方々と盛り上がりたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
――ありがとうございます。皆さんは、今まで「デジモン」とはどのように関わってこられたのでしょうか? 思い出があれば、教えてください。
金田:僕は今年で25歳なのですが、兄と一緒にアニメを観て、ゲームも遊んでいました。「デジモン」で育ってきたと言っても過言ではありません!
アニメ放映当時は幼くて記憶があまりないのですが、出てくるモンスターの多さに魅力を感じていました。
特に記憶に残っているのが1999年に発売した「デジモン大集合」という、バンダイから発売していた指人形です。これが大好きだったので、兄弟で一緒に集めていました。モチモンの指人形は特にお気に入りで、ほっぺとかにくっつけて遊んでいました(笑)。
あと、ワンダースワン(※2)の『デジモンテイマーズ バトルスピリット』に熱中してプレイしたのが良い思い出です。
――指人形懐かしい! ワンダースワンは「デジモン」のゲームがたくさんあり、すごく良かったですよね。
金田:そうなんですよ! 兄弟で1台の本体を使い回していたのですが、とても楽しくプレイしていました。今の上司が当時ワンダースワンのゲームの開発担当だったりと、個人的に「デジモン」には縁を感じています。
水沢:「デジモン」入社なんですね!
金田:そうですね。「デジモン」と『ドラゴンボ-ル』が小さい頃から大好きです。
木下:僕は『デジモンアドベンチャー』放映当時は大学生でしたので、世代ではないんです。会社に入るまでに『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』しか見たことありませんでした。
――逆に、『ぼくらのウォーゲーム!』だけは観たことがあるのが驚きです。
木下: 細田守監督が好きで。『時をかける少女』から好きになり、『サマーウォーズ』を観て、その流れで『ぼくらのウォーゲーム!』を鑑賞しましたが、電脳空間のデザインはじめ既に出来上がってたんだ!とびっくりしました。
水沢:私は『デジモンアドベンチャー』放映当時は小学生でした。リアルタイムで最終回まで観ていて、デジモンと選ばれし子どもたちのお別れのシーンの感動は今でもハッキリと覚えています。子どもの時に感じた感情が今でも残っている、『デジモンアドベンチャー』はすごいなと思っています。
――それが今や、東映アニメーションに入り関係者側にいるんですね。
水沢:そうですね。小さい頃に観ていたアニメや遊んでいた玩具に、必ずといっていいほど「ペロ」(※3)がいて、この「ペロ」で私は育ったという感覚が強くありました。それがきっかけで、東映アニメーションを目指しました。
「デジモン」を初めて担当したのは、2019年に開催した「デジモン20周年記念オフィシャルツアー~ぼくらのサマーキャンプ~」です。
大自然に囲まれてのBBQやクイズミッション、設定資料・台本の展示、ステージイベントまで、盛り沢山のバスツアーだったのですが、ファンの皆さんと出演者、我々スタッフの距離がとても近く、ファンのデジモン愛をひしひしと感じることができました。
このツアーをきっかけに改めてファンの皆さんと「一緒に」デジモンを大切にしていきたい!育てていきたい!と強く感じました。その時の気持ちが、今回のプロジェクトに繋がっています。
木下:僕は中途で入社し、「デジモン」を担当することに決まってから、全作品観たんです。なのでデジモン歴は短いです。とは言いつつ、担当作品に関わる映画もテレビシリーズもこれでもかというくらい繰り返し繰り返し観ています。「デジモン」作品の素晴らしいところや、ファンの方々が何に魅せられてきたのか、常に考えてやってきたつもりです。
ですが、小学生の時などに「リアルタイムに観てなにかを感じる」ことや、その思い出を大切にし続けるという経験は、どうしたって僕にはできないんです。そうした経験をしてきた弊社やバンダイナムコグループ、コラボ先の各社さんのスタッフと話をすることで、本当にその世代の方々の思い入れが強さを感じてきました。
これからの「デジモン」を作り続けていく上で、その方々の力は欠かせないので、「デジモン」世代のスタッフをできるだけこのプロジェクトに集めるようにしています。なので、金田さんや水沢のようなスタッフが、このプロジェクトの鍵になるのでは、と勝手に思っています。
――「デジモン」を好きな人たちの想いで、これからの「デジモン」を作り上げていくんですね。 それでは、本題として「デジモンパートナーズプロジェクト」の概要を教えてください。
木下:まずは「ファンの人たちが集まれる場所」を色々な機会を通して作っていきたい、ということです。そのような皆さんの集まれる場所、「コミュニティ」を作り、活動していくことで、一緒に「デジモン」を楽しみ、育てていき、これから末永く「デジモン」コンテンツを続けていくことが、大きな目標です。
具体的な施策の1つにイベントがあります。これまでは「デジフェス」のようなビッグイベントは行っていましたが、もう少し小規模なイベント、例えば「『デジモンテイマーズ』を一緒に観よう」といったオンラインイベントも定期的に行いたいと考えています。あとはもちろん、カフェみたいなリアルに集まれる場所も提供したいと画策しています。
――その「集まれる場所」の一環として、本サイト、デジモン公式ファンコミュニティサイト「デジモンパートナーズ」があるわけですね。
木下:はい。ファン同士が一番繋がりやすい手段としての「コミュニティサイト」を運営したいと考えています。
特に「デジモン」は日本だけでなく海外のファンの方も多いので、国内外で盛り上がりを作りたいんです。オンライン上で繋がった方々が、リアルで出会うのも素敵だと思いますので、きっかけの1つになるサイトにしていきたいです。
水沢:実際にファンの皆さんとの商品企画会議の場を設けて、意見を出し合いたいと考えています。ファンの皆さんだけでなく、もちろん我々スタッフもその会議に一メンバーとして参加します。「あのグッズは私がつくった!」くらいに愛着のわくようなデジモングッズを、もっとファンの皆さんの近くで生み出していけたらいいなと思っています。
だれでも一度は「こういうグッズがあったらいいな…」と思ったことがあるはずです!その気持ちをぶつけてください!いや、ぶつけ合う…感じで一緒に考えていきましょう。
木下:我々スタッフもファンの一人として「コミュニティ」に参加することで、ファンの方々との距離感を近くにしていきたいです。
またこのサイトではアニメだけでなく、玩具やゲーム、カード、フィギュアも含めて、「デジモン」コンテンツすべて語り合える、あらゆるファンが集える場所にします。
――あらゆるコンテンツのファンが、スタッフを含めて、同じ場で話し合うの機会があるのは非常に面白そうです。このプロジェクトを始めるきっかけは何だったんでしょうか?
木下:やはり支えてくださったファンの方々なくしては、「デジモン」コンテンツは、20年以上続かなかったと思っています。
僕はこの仕事に携わるようになってから、周囲にいるファンに「デジモン」の好きなところから、シナリオの細部まで、様々な意見を聞いて回りました。これから「デジモン」を続けていく上で、作り手側にファンの意見が必要になってくると思っていたからです。
そして『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』では監督をはじめ、世代の人たちに参加して頂き、想いを作品にぶつけてもらいました。だからこそ、多くの方に喜んでもらえる作品が完成したと自負しています。
そこから、今後はファンの声をしっかり拾い上げる、ファンと一緒に作り上げていく、ということをもっと加速させようと考えるようになりました。聞き取ったからといってすべては実現できませんが、より良いものを作っていくためには、ファンとの距離を近づける「コミュニティ」が必要だと思ったんです。
――その話を受けて、バンダイナムコグループとしてはいかがでしたでしょうか?
金田:「デジモン」コンテンツは液晶玩具「デジタルモンスター」から始まり、その後アニメ化、ゲームやグッズの発売などの展開で、さらに人気が拡がっていった作品ということで、ファンの中でも「デジモン」の原体験が違うことが多いです。
各コンテンツの枠を越えて、ファン、そして、各社のスタッフ同士も交わる「ワン・デジモン」になれるような「コミュニティ」を作りたいと、バンダイナムコグループも思ってた矢先にお話しを頂きました。
また、現状、販売した商品に対し、買って頂いたファンの声を拾いきれていないという課題があると思っています。ネットやSNSからファンの意見を確認したりしていましたが、このコミュニティサイトを通して、より「デジモン」を20年を超えて愛し続けてくれた方の声を聞いていきたいです。
同時に、お伝えできてなかった制作の裏側や想い、こだわりを伝えていき、相互の交流やコミュニケーションを大切にしていきたいです。
――ファンと制作スタッフ両方の声を通して、より良い商品作りを目指してく形ですね。
金田:ファンの皆様の「欲しかった」を作るのが命題です。今後、「デジモン」コンテンツを長く続けていくために、ファンの声を大切にしつつ、我々も発信していきます。
木下:スケジュール上、今日の場には参加できませんでしたが、バンダイナムコエンターテインメント(以下BNE)もゲーム側として、「デジモンパートナーズプロジェクト」に参加しています。
例えば『デジモンサヴァイブ』など今後リリースされるものに対しても、ファン同士が語れる場所したいと、同じ目標を持って進めています。
――ゲームもデジモンでは欠かせない存在です。それでは、具体的に本サイトではどのような企画が動いていくのでしょうか?
水沢:まずは、ファン同士、そしてファンと我々スタッフが交流できる場所「デジトーク」(トークルーム)があります。お題を自ら投稿することもできる自由な場所です。
また、イラストや写真を投稿できる場所や、公式からのニュースやお楽しみコンテンツを発信する場もあります。オンラインショップ「DPショップ」もオープンする予定です!
全体を通してフラッと見てコメントする、リアクションボタンを押す、ちょっとイラストを描いたら投稿する…など、気軽に楽しく参加できる、生活の一部になるような身近なサイトになったら嬉しいです。
金田:「デジモン」のここが好き! といった愛情を自由に語り合う、いつでもファンが集える場所になってほしいですね。
木下:2018年の感謝祭では、東映アニメーションとBNEで協力してイベントと配信を行いましたが、それ以降はうまく協力体制を作れませんでした。毎月各社が集まって会議をしてきましたが、具体的な施策に至りませんでした。
ようやくこのプロジェクトを通して、これまで以上にジャンルの垣根を越えられるような形がとれると思います。
――各社がまとまることで、今回のプロジェクトが動くことになっているんですね。それでは「デジモンパートナーズ」プロジェクトとして、コミュニティサイトの運営以外に、どのようなコンテンツが展開されるのでしょうか。
木下:ひとつは「デジフェス」などリアルイベントを引き続き運営し、加えてオンラインでのイベントを開催していくことです。
さらにこのプロジェクトの一環として、今年は『デジモンテイマーズ』20周年に際したグッズやポップアップショップの展開も行っていきます。
まだ言えませんが、他にもさまざまな企画を運営していく予定です。
――「デジモンパートナーズプロジェクト」を通した、目標があれば教えてください。
木下:「デジモン」は、5年後10年後も展開を続けていく力を持っていると信じています。そして我々も続けていきたいという強い意思をもって、これからはファンの皆さんと作り上げていきたいんです。
ファンの方々にお子さんが生まれた時、親子一緒に「デジモン」を楽しめるコンテンツにしていきたいと思っています。令和生まれのお子さんが小学生になったとき「デジモン」を楽しむには、今何ができるのか。そんな未来を見据えて、皆さんとコミュニケーションを図っていきたいと考えています。それが僕たちの目指すところです。
水沢:親になっても「デジモン」ファンであり続けてくれているファンの方たちが、その子どもたちに与えられる「デジモン」の“なにか”が今はまだ無い状態です。
その“なにか”を、親になった世代のデジモンファンと我々が一緒に考えていきたいです。
木下:例えば「絵本つくりましょう」と話がでたら、どんな話がいいか、どんな絵がいいかとか、一緒に考えられる場になればいいなと。
現在のアニメやゲーム、玩具の展開は続けていきつつ、並行してファンと交流していく施策が「デジモンパートナーズ」プロジェクトです。
――ファンが欲しているものを、より的確に捉えるために、「一緒に考える土壌」を作っていくんですね。
金田:商品企画側としても、頂いた意見を商品にフィードバックするだけではなく、その意見がでる理由まで考え、商品価値を高める機会にしていきたいです。
木下:多くの「デジモン」ファンには、色々な好きの形があると思います。みんなで楽しむ場になればいいなと思います。
――ファンとスタッフが一緒に楽しめる場にしていきたいですね! ありがとうございました!
※1…2020年から始まった、「デジモン」シリーズをリブートするプロジェクト。アニメの放映や玩具の展開など、多角的な展開を目的とする。
※2…1999年から展開した、バンダイ発売の携帯ゲーム機。「デジモンアドベンチャー アノードテイマー・カソードテイマー」「デジモンアドベンチャー02 タッグテイマーズ」など、多数のデジモンゲームソフトが発売された。
※3…長編アニメ「長靴をはいた猫」の主人公。東映アニメーションのシンボルマークになっている。