11月27日に新フィギュアシリーズ「ダイナモーション」から「グレイモン」と「メタルグレイモン」が発売!12月には第3弾「ムゲンドラモン」が発売する本シリーズについて担当者である寺川亮さんに、インタビューを実施!立ち上げの経緯や、立体化に際してのこだわりを伺ってきました。
寺川亮さん:株式会社バンダイ トイディビジョン ブランドデザイン部所属。
デジモンパートナーズスタッフ:デジモン好き30代。
「大きい・カッコいい・手に取りやすい」がテーマ
スタッフ:「ダイナモーション」シリーズの、立ち上げのきっかけを教えてください。
寺川:私が所属する部署が、ゴジラや仮面ライダーなどの「ソフビ」を、古くから定番商品として扱っています。その流れで、「デジモン」でも「ソフビ」を作れないか、モンスター感や質感などが「デジモン」と「ソフビ」は相性が良いんじゃないかというところから、企画がスタートしました。一般的な玩具の「ソフビ」は造形や彩色の追求よりも子どもでも手に取りやすい価格を優先しがちな商品が多い中、大人も満足するような「大きい・カッコいい・手に取りやすい」をテーマに、新しいブランドを立ち上げて挑む形になりました。
スタッフ:そもそも、「ソフビ」とはどのようなものなのでしょうか…?
寺川:「ソフトビニール」の略称なのですが、「ポリ塩化ビニール(PVC)」と呼ばれるプラスチックの一種で、粘度と柔らかさがある素材を使用した商品です。パーツの内側が空洞になる特殊な金型を使用し、「ソフトビニール」で成形したフィギュアを指して、「ソフビ」と呼んでいます。
スタッフ:新ブランド「ダイナモーション」の名前の由来は何でしょうか?
寺川:一般的な「ソフビ」の進化版を作りたいと考える中で、カッコよく動きがあるポージング「モーション」で「ダイナミック」なものを、という意味で「ダイナモーション」となりました。今までの「ソフビ」は素立ちが多い中で、動きあるものを作っていきたいという思いがありました。
スタッフ:ラインナップはどのように決まったのでしょうか?
寺川:「生物感を出す」というテーマがありましたので、それに合う形でまずは「グレイモン」と「メタルグレイモン」が候補に入りました。今回の「ダイナモーション」を表現するにあたって、アニメの中で躍動する姿や図鑑イラストのテイストなどを参考にしながら造形しています。
スタッフ:そこに「ムゲンドラモン」が、第3弾で入ってきました。
寺川:今回の「ダイナモーション」はチャレンジングな部分もありましたので、生物としての「グレイモン」、半生物・半マシーンの「メタルグレイモン」、フルマシーンの「ムゲンドラモン」という形で、選定しています。迫力あるドラモン系のデジモンで、アニメで活躍し認知度も高いということで「ムゲンドラモン」を選びました。今回の新ソフビシリーズの趣旨として、マッチングすると考えての3体です。
スタッフ:「ダイナモーション」シリーズは、一般店頭発売で、しかも箱に入らずむき出しの状態で店頭に置かれるとのことで、非常にインパクトがあります。
寺川:今までの「デジモン」としてありそうでなかった商品形態になっているかなと思います。「ダイナモーション」は「ソフビ」といっても、通常の「ソフビ」とは作り方を変えています。「ソフビ」は中身が空洞になっていて、空洞用の金型を作っています。一方、一般的な可動フィギュアや無可動フィギュアは、中身まで素材が詰まっており、金型はソフビと違う作りをしているんです。今回の「ダイナモーション」は、元来の「ソフビ」金型と、ハイディティールの現代フィギュアの金型を、パーツによって使い分け、良いとこ取りで作っています。例えば、「メタルグレイモン」の翼に入っている模様や穴の造形は、元来の「ソフビ」用の金型では表現できないので、「フィギュア」用の金型で制作しています。
そのような使い分けで、全体でメリハリある形に仕上げることができました。ものづくり目線として、「ソフビ」のパワーアップ版を作りたかったので、このようなチャレンジを取り入れました。
スタッフ:「ダイナモーション」の魅力は、どのようなところにあると思いますか?
寺川:立体物としては「Figure-rise Standard」や「SHODO」など様々なシリーズが出ていますが、「動物感」「生物感」が一番表現できるのは、「ソフビ」だと思うんです。「ソフビ」は可動こそしませんが、体表や筋肉の隆起など、柔らかい素材だからこそ自然な雰囲気が出せると考えています。
アニメを参考にしながらアニメでは見えない質感なども、強調する造形をめざしています。
スタッフ:それぞれの造形に関して、注目ポイントを教えてください。
寺川:「デジモン」は架空の生物なので、恐竜の図鑑を見ながらアニメでは表現されていない、筋肉のつき方や流れを研究しました。リアルさを求めたときに、実際の生物を参考にしながらの造形が必要だと思ったんです。「グレイモン」や「メタルグレイモン」の肌の質感や浮き上がった血管など、足の爪や口の牙周りは恐竜の図鑑などを参考にしています。
「デジモン」が生きている感じを表現するために、あえて体や角、機械パーツなどにダメージ加工といいますか、傷やくぼみを入れたのも特徴のひとつです。また、「メタルグレイモン」は肩のディティールも細かく表現できました。
「ムゲンドラモン」に関しては、口周りを「フィギュア」の金型で作成して重厚感ある質感で作りました。また、背面の各パーツもアニメの設定を参考にしながら細かく再現しています。
スタッフ:これからの目標を教えてください!
寺川:「デジモン」には、まだまだ立体化しがいのあるモンスターがたくさんいます。これからの反響にもよりますが、「ダイナモーション」の特性に合わせた、「ダイナモーション」だからこそのラインナップを考えていければと思います。
スタッフ: ありがとうございました!
ダイナモーション グレイモン
発売日:好評発売中
価格:2,860円(税込)
ダイナモーション メタルグレイモン
発売日:好評発売中
価格:3,080円(税込)
ダイナモーション ムゲンドラモン
発売日:12月11日
価格:3,300円(税込)