2023年11月25日(土)発売のプラモデル「Figure-rise Standard Amplifiedメタルグレイモン(ワクチン種)」! 多様なギミックを搭載した新プラモデルについて、企画開発担当&コンセプト立てから開発に深く関わっているAs’まりあさんに、その魅力を伺ってきました!
稲吉太郎さん:株式会社BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部所属。Figure-rise Standard Amplifiedシリーズ企画開発担当
As’まりあさん:デジモンデザイナー、Figure-rise Standard Amplifiedの初期から開発に携わる。
デジモンパートナーズスタッフ:デジモン好き30代
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DP:まずは、ラインナップに「メタルグレイモン(ワクチン種)」が決まった経緯を教えてください。
稲吉:一つ前の商品化で『デジモンセイバーズ』から「シャイングレイモン」を商品化させていただき、今までのラインナップとしては挑戦でしたが、ファンの方たちからとてもご好評いただきました。一方で『デジモンアドベンチャー』からの商品化の希望の声も多く、その中で未商品化デジモンということで「メタルグレイモン」に白羽の矢が立ちました。また、BANDAI SPIRITSでは「プラノサウルス」という新シリーズに取り組んでいます。恐竜の骨に肉を付けて組み立てていくプラモデルなのですが、そこで「恐竜の肉感」を再現する技術が培われていました。ロボット物のタイトルで培ったメカ表現と、新たに手に入れた動物的表現が合わさってできる最高の商品を考えたところ、「メタルグレイモン」がバチッとハマりました。
DP:As’まりあさんは「メタルグレイモン」と聞いたときはどうでしたでしょうか?
As’まりあ:「メタルグレイモン」は良いなと思ったのですが、「Amplified」的にどう表現できるか、期待と不安が半々でした。僕の方でも実際に、「プラノサウルス」の実物を拝見しつつ、恐竜的な肌の表現をどのように入れるべきか提案させていただきました。
DP:今までの機械的な表現と、別タイトルで培われた肉感や肌感の表現が合わさる「メタルグレイモン」は、新たな境地なんですね。
稲吉:「ムゲンドラモン」の際にも採用されていましたが、従来だとボールジョイントを使用していた尻尾部分を、リード線を使用して可動できるようなりました。このような細かい表現のノウハウも蓄積されていたので、恐竜的な、ドラゴンのようなキャラクターがより表現しやすくなりました。
DP:盛り込まれているギミックはどのように決まっていったのでしょうか?
As’まりあ:元々「メタルグレイモン(ウィルス種)(X抗体)」の標準装備だった「アルタラウス」が、『デジモンアドベンチャー:』で「メタルグレイモン(ワクチン種)」に逆輸入されていたので、かっこいいと思い企画初期に提案させていただき、開発画稿から入れ込んでいました。本来「アルタラウス」は左腕全部が機械化して付いている装備でしたが、『デジアド:』では右腕の肘から生えていましたので、デザインから調整をかけ、設計の方のアイデアもあり、生身の腕のパーツから、少ないパーツで換装できる仕様になりました。
稲吉:一番の推しポイントは「アルタラウス」ですが、胸のハッチ、「ギガデストロイヤー」の発射部分の開閉する仕様も僕は気に入っています。「ギガデストロイヤー」のミサイル自体も付属していますので、クリア支柱と合わせてフィギュア的な飾り方もできるんです。ハッチ部分の穴にはクリア支柱が取り付けられるようになっているので、ハッチからミサイルが飛んでいく瞬間も再現できます。
DP:ちらっと見せていただいている開発画稿、描き込みも多く興味深いですね。
稲吉:As’まりあさんからいただく画稿の線はとてもかっこよくて、色々な関係者に企画趣旨やコンセプトを伝えるとき、この絵を見せれば「こうやりたい」という熱がとても伝えやすくなるんです。そういった意味でも、この開発画稿はすごく助かっています。
As’まりあ:嬉しいです。今まで企画書仕事などが多かったからかもしれないですね。後工程の方々に僕の意図が伝わりやすいように常に心掛けています。なので、あちこち補足説明だらけになってしまいます(笑)。
例えば、凹凸の表現1つにしても、凸なのか、並行なのかなど、はっきり書くようにしています。コンセプトスケッチのときもそうなのですが、後工程の方が仕様に迷う時間がもったいないので、僕で表現できることはまずすべて表現し、アイデアのキャッチボールが迅速に進むように心がけています。
DP:細かすぎて伝わりにくいこだわりなどありますか?
As’まりあ:今回、背中のメカ部分が露出しているのが大きな特徴です。これは可動する翼を取り付けるにあたって、そのための穴を開けておく必要があり、その穴のある場所が肉のままだと不自然だと思い、デザインの段階からメカにしておきました。そのおかげで、すでに発売している「Amplified」の武器などが連動して取り付けられるようになりました。
DP:プラモデルとしての「遊び」と「カッコよさ」、その2つが両立するような説得力を持つように考えられてデザインされているんですね。
As’まりあ:僕は「Amplified」は、“プレイアブルプラモ”だと思っています。完成してお終いではなくて、完成してからも組み合わせで遊べるプラモとして、体中に接続用の穴が開いていて、いろいろな「if」の表現ができる楽しみがあるものにしたいんです。ユーザーが自分の想像を形にできる、自由度があるものにしたいと考えています。
稲吉:僕からは、この顔の部分です。
口を広げたときに、粘膜的な濡れている質感が、ザラつきのあるパーツで表現されていて、より恐竜チックになっています。赤味が他の部分とも少し違っているのが、設計さんのこだわりです。また、この体中にある青いラインなのですが、実はシールを使わず、太腿のパーツを間に青いパーツをはめ込むだけで複雑な模様が再現できるようになっているんです。
DP:本当だ…すごい。この口のヌメリ感は、この口のパーツだけですか?
稲吉:ここだけのために作っています。また、翼のPETシートはホログラフィック仕様になっていて、角度によって見え方が変わり、ライトを当てると色が変わります。実はこれ、成形品ではできない表現で、このような素材が適材適所にあることで、単純なプラモデルではないと思っていただけるはずです。
As’まりあ:PET素材を採用する際に、「印刷ができる」「1枚で複数パターンの型抜きができる」など、いろいろな表現の幅があることを教えてもらいました。だったら「ここまでできるのではないか」と提案させていただき、だいぶハードな形に落とし込まれていきました。
稲吉:きらびやかなシートに、As’まりあさんがデザインされたラインが印刷され、さらにホログラフィック加工がされています。BANDAI SPIRITSのシート表現の集大成のようなものになっていますね。
DP:最後にファンの方々にメッセージをお願いします。
稲吉:「デジモン」コンテンツは、カードやアニメ、「バイタルブレス」など、ファンの楽しみ方がどんどん広がっています。この「Amplified」というアレンジブランドも、そのようなまだまだ広がり続ける「デジモン」の楽しみの1つとして、大きな要素の1つを担っていきたいと思います。なので、今後も開発を責任もって頑張っていきますので、応援をよろしくお願いします。
As’まりあ:とにかく買ったら、アンケートやネットでも良いので、感想を上げてほしいです(笑)。ポジティブなものも、ネガティブなものも、それが次の商品開発に繋がっていきます。なにより、励みにもなりますので。ぜひ、よろしくお願いいたします。
DP:ありがとうございました!
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