8月10日(土)より、「デジモンウェブ」にてスタートする「デジモンコミック」。全4回にわたり、「デジモン」のマンガが全5作連載されます。そこで連載する4名の作家にインタビューを実施! 第2回は「みなと歩先生」と「やぶのてんや先生」のインタビューをお届け!
■「デジモンパラドクス」みなと歩先生
PROFILE:(みなとあゆむ)、マンガ家。「デジタルモンスター CHILDREN:CODE」で、「デジモン漫画大賞」佳作受賞。 一番好きなデジモン:「リュウダモン」。人生で一番好きなデジモンゲーム:プレイステーション「デジモンワールド」。
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――「デジモンコミック」で連載が決まったときのお気持ちを教えてください。
実は「デジモン漫画大賞」の受賞作「デジタルモンスター CHILDREN:CODE」が、処女作なんです。今まで連載経験がなく、初めての連載だったので、「マンガ家になった!」という喜び含めて、とても嬉しかったです。
――「デジモン漫画大賞」の受賞が決まったときは、どのようなお気持ちでしたか?
僕はその時会社員だったのですが、合間の時間をぬってマンガを描いていました。描き上がった作品は、正直納得のいくものではありませんでした。なので半分諦めつつも、どこかで期待する気持ちもあり、もし受賞するなら発表の前に連絡があるかなと、毎日メールボックスをチェックする日々でした(笑)。そしたらある日、知らない番号から電話がかかってきて、「Vジャンプの…」と聞こえて胸が跳ね上がった瞬間は、一生忘れないと思います(笑)。仕事中でしたが、思わず飛び上がりました。
――受賞作である「デジタルモンスター CHILDREN:CODE」は、どのような考えで作られましたか?
自分の考える「デジモン」の魅力を多くの人に知ってもらいたい、作品に昇華したいという気持ちがありました。アニメはもちろん好きなのですが、私は「デジモン」という存在そのものに魅力を感じています。「カッコいい」「可愛い」だけではなく、 謎があり、不気味さがあり、モンスターらしい恐ろしさを持っているところに、デジモンそのものの魅力があると考えています。そういう部分が、読んだ人にも伝わればいいなと思い描いていました。
――「デジモン」を好きになったきっかけは何でしょうか?
やはり「アニメ」です。幼稚園のときに、たまたま『デジモンアドベンチャー』の1話を見て、「すごく面白い!」と思ったんです。その直後に引っ越しがあり、幼かったこともあって、そのことを忘れてしまっていました。それからしばらくして、テレビを見ていたら、21話「コロモン東京大激突」が放送していました。改めて「すごく面白い!」と思い、親に調べてもらって1話目を見直したら、「これあのときのアニメだ!」と気が付き、話の展開がすごく気になって、ハマっていきました。
――その出会いから「マンガ家」としてデビューまで、どのような経緯がありましたか?
当初は小説家になりたいと考え、とある出版社に作品の持ち込みを行った際、その時の編集さんから「絵は描けないの?」「描いてみてよ」と言われ、その場で描いてみたら「練習すればうまくなるよ、練習してみれば?」とアドバイスをもらいました。正直、絵を描くことはあまり好きではなく練習は長続きせず、「いつか物語を作る仕事がしたい」と漠然と思いながら、サラリーマンをしていました。そこから先程の「マンガ大賞」の話に繋がっていきます。
――創作活動に「デジモン」が影響を与えていることはありますか?
多大にありますね! 特に細田守監督が携わった劇場版『デジモンアドベンチャー』や『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』などです。受賞作にはそれがよく出ていると思いますし、オマージュさせていただいた部分もあるんです。見かけた感想の中に「読んでいて、頭の中で勝手にボレロが流れていた」というの見かけて、すごく嬉しかったです。
――「デジモンコミック」の連載作である「デジモンパラドクス」は、どのような想いで描かれましたか?
「デジモンコミック」はファンの方々がメインの読者層だと思いつつ、もっともっと「デジモン」を盛り上げていきたいという気持ちがあるので、「デジモン」を全く知らない人が読んでも面白いと思ってもらえるお話にしようと思いました。編集さんには「良い意味でデジモンに頼っていない、人間でお話を作っている」と言っていただけました。受賞作は「デジモン」中心でしたが、今回はもっと物語性に振った作り方にしています。もちろんデジモンたちは活躍しますし、3話・4話では「デジモン」らしさがもっと発揮された展開をと考えています。
――登場するデジモンはどのような基準でチョイスしましたか?
クワガーモンやデビドラモン、ワニャモンなどが登場しますが、デジモンたちはもっと「モンスター」であってほしいと考えています。オメガモンもすごい好きなのですが、最終的に人型、戦隊ヒーローぽくなるのが少し残念で…。「デジモン」の本来の魅力は「モンスター」の部分にあると思っているので、「モンスター」らしいデジモンを「モンスター」らしく動かしたいとチョイスしました。あとTVアニメ『デジモンアドベンチャー』の1話での登場で、クワガーモンは敵・悪いデジモンという印象を持たれがちですが、その印象を払拭したくて、これまでとは違う活躍の仕方を描かせていただきました。
――「CHILDREN:CODE」と「デジモンパラドクス」それぞれ、設定のこだわりを感じました。どのような考えで作られていったのでしょうか?
受賞作の内容は、「こんなデジモンで遊んでみたかった」「自分がやりたかったデジモン」なんです。きっと同じように思っているデジモン好きはいるのではないか、と長年自分の中にあり、そこから生まれた作品です。
「デジモンパラドクス」は、「デジモンはモンスターである」ということを、今までとは違う切り口で描きたいと思いスタートしました。今作でデジモンは、「モンスター」でありつつも「兵器」として扱われています。「兵器」ですが、生きていて、意思がある存在として、「怖い」というイメージを覆す話にしたかったんです。なので、まずは現代という舞台で「デジモンは兵器で怖い存在」という設定をどう描けるかを考えたんです。そこから「未来からデジモンが来る」という軸と、「デジモンを兵器と知らない少年」と「兵器と知っている少女」のボーイミーツガールのストーリーを思いつきました。出会いと交流が行われていくことで、「デジモン」への理解が変化していく物語が組み上がっていきました。
■「ひらがなでじもん・ろいやるないつ物語」やぶのてんや先生
PROFILE:マンガ家。Vジャンプにて『デジモンアドベンチャー Vテイマー01』を、最強ジャンプにて『デジモンドリーマーズ』を連載。「デジモン漫画大賞」では審査委員を務める。
やぶのてんや先生の歴代作品は[▶こちら]をチェック!
――「デジモンコミック」の連載が決まったときのお気持ちを教えてください。
また「デジモン」に関わることができて、率直に嬉しかったです。去年の夏にお話をいただき、その時に連載中でした『デジモンドリーマーズ』をそのまま続けたい気持ちもありましたが、今回は新規作品をとの依頼を受け、新たな物語に挑むことになりました。
――今回はやぶの先生が審査をされた「デジモン漫画大賞」受賞者と合同連載です。そのお話を聞いたときはいかがでしたか?
「デジモン漫画大賞」の作品は、熱のある若い人たちのエネルギーとデジモン愛がすごかったです。なので、その方々もたてつつ「デジモンコミック」を盛り上げられたら、という気持ちで携わっていこうと思いました。
――本作の方向性が決まるまで、どのようなやり取りがありましたか?
僕の最近の趣向が、児童書色が強くなってきています。「デジモン」でも、コミカルで子どもたちにリーチする何かを描きたいと考えていました。そんなときに、「SDガンダム」のように、カッコいい「ロイヤルナイツ」たちをディフォルメ化して活躍させたらどうだろうと思いました。純粋に、僕が「ロイヤルナイツ」たちがSD化した玩具を欲しいと思ったこともあり(笑)。結果として「SDガンダム」とは方向性は異なりますが、今の形にまとまりました。
――SD化するにあたり、描くポイントはありましたか?
実は僕は子どもの頃から、それこそ「SDガンダム」が発表される前から、ガンダムを三頭身や二頭身で描いていたんです。なのでSD化するにあたって心理的ハードルはなく、ロイヤルナイツはデザインが細かいデジモンたちなので、どの線を省略するかなど悩みはしたのですが、基本楽しんで描くことができました。ストーリーがバトル中心だとカッコよさを残すデザインになったかもしれませんが、今回はコメディということで、柔らかめの表現になりました。
――1年間全4回の連載に当たり、意気込みやPRがあれば教えてください。
「ロイヤルナイツ」はカッコいい存在で、神格化されたり悪役になったりしつつも、読者から遠くなりがちで、もったいない部分があると感じていました。なので、戯画化された「ロイヤルナイツ」を通して親しみを持ってもらえたら嬉しいです。ちょうど「デジモン」ファンも子育て世代になってきていると思うので、子どもたちに読んでほしいと思いつつ、ワニャモンという子どもに振り回されるデュナスモンたちに、親世代も共感してもらえたらと思いますので、その部分を楽しんください!
――貴重なお話ありがとうございました!
「デジモンコミック」は8月10日(木)にデジモンウェブにて掲載予定! お楽しみに!
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