2023年2月22日(水)に発売開始したNintendo Switch版「デジモンワールド -next 0rder- INTERNATIONAL EDITION」。PS4版の発売から約6年がたち、ついに待望のNintendo Switchへと移植された今作の魅力について、プロデューサーの横田さんにお話を伺ってきました!
横田貴大さん:バンダイナムコエンターテインメント所属
デジモンパートナーズスタッフ:デジモン好き30代
DPスタッフ:まずは自己紹介をお願いいたします。「デジモン」にまつわる思い出もぜひ教えてください。
横田:バンダイナムコエンターテインメントでNintendo Switch版「デジモンワールド -next 0rder- INTERNATIONAL EDITION」のプロデューサーを担当している横田です。人生で初めて「デジモン」に触れたのは、今でも覚えているのですが、幼少期に友人宅にあった液晶玩具「デジタルモンスター」です。その時はまだはっきりと「デジモン」という作品の認識をしていなかったのですが、後にアニメ『デジモンアドベンチャー』を視聴して非常に強く印象に残りました。当時、学校で友人とテンション高く、毎話アニメの感想を話しあっていたのは良い思い出です。
DP:友達との交流で「デジモン」が話題に上がるのは、とても良いですね。今作は「ジャンプフェスタ2023」で試遊も出されていましたが、ファンの反応を間近で感じられていかがでしたか?
*ジャンプフェスタ2023…2022年12月17日,18日に幕張メッセで開催されたイベント
横田:「ジャンプフェスタ2023」では、進化条件などがプレイ中の行動によって少し変わるようになるなど、試遊用のデータとして開発会社様と細かく調整したものを出展していました。そんな体験版を、ファンの皆様やふらっと立ち寄ってくださった方々にプレイして楽しんでいただけたのは非常に嬉しかったです!何回も並んでプレイしていた方がいて、「買います!」と笑顔でおっしゃっていたので、短い時間ながらも楽しんでいただけたことを実感できましたし、安心いたしました。
DP:「デジモン」目当てで来場されていない人にも、楽しんでもらえたのはすごくいいですね。
横田:ファンの方が楽しんでくれることはもちろん嬉しいですが、ふらっと来てくださった方も「楽しかった」と言ってくださるのは、また違った感動がありました。
DP:そんな今作を、発売することになった経緯を教えてください。
横田:「デジモンワールド -next 0rder-」という作品の移植を希望されている声が多数あることを、弊社としても認識しておりました。その上で、「デジモンワールド -next 0rder-」を気になっていたけど移植前のプラットフォームを持っていないことでプレイできなかった方々に、きちんと届けたいとも思っていたんです。また、家でも外でも好きなタイミングで気軽にプレイできる「Nintendo Switch」でしたら、より作品の良さを感じていただけるのではという考えもあり、今回移植させていただきました。
DP:「ビギナーモード」や「走る」という機能は、初めて入る方に向けてという意識があったからでしょうか?
横田:そうですね。今まで「デジモンワールド」シリーズ自体をプレイしたことがない方や、そもそも育成ゲームというジャンルに慣れてない方でも、気軽にデジモンの育成と冒険を楽しんでほしいという意図で、敵の強さを抑えた「ビギナーモード」を用意しました。「走る」機能は慣れてない方に向けたものでもありますが、今作特有の広いフィールドを移動するテンポ感の改善を希望している声もあり、移植するにあたって、よりテンポよく楽しめるように、移動速度の向上を目指し、「走る」機能を追加いたしました。
DP:ファンからの意見があり、それを反映するに形で導入されたんですね。
横田:はい、やはりファンの皆様のお声は大事にしたいと考えています。ちなみに難易度の設定は、ジジモンの家にいるプニモンに話しかけることで行なえます。完全に余談ですが、ここのプニモンのセリフはユニークでお気に入りなので、ぜひ見てみてほしいです(笑)。
DP:そもそもプラットフォームの「移植」というのは具体的にどのようなことをしているのでしょうか? また、移植に際し大変な部分はどのようなところなのでしょうか?
横田:移植するにあたり、対応機種が変わるので、操作などに不都合がないように調整することがメインです。何よりも大変だったのは、いわゆる「フレームレート」や「画素数」など、見た目の部分です。移植前の機種で出せていた画質が出なくなってしまうのは避けたく、違和感なく綺麗なデジタルワールドを表現したいと考えていました。そのため、移植にあたり画質が損なわれることがないよう、調整するところが一番ハードでした。
DP:具体的にどのように解決していくのでしょうか…?
横田:そこは、開発会社様やデバック会社様、私などで実際プレイして、気になった箇所を見つけたら、そのグラフィックをブラッシュアップしていきます。一括でサーチできるものではないので、多くの人の目による発見で調整をかけていきました。
DP:例えば、デジモン一体一体のグラフィックモデルを見比べて、「ここは違うね」といったようにチェックするのでしょうか?
横田:そうですね。デジモンのモデル自体の調整もゼロではないですがそこまで大きく変わることはありませんでした。それよりも、今作は広いフィールドの遠くに見える場所や天候など、かつて投影できていた画を、微調整を繰り返して再現できるようにいたしました。一方そういった対応をすることで、ロードが長くなりすぎないように負荷を軽減させる点が一番肝でした。
デジタルワールドの遠景の滝や、降ってくる雪の表現など、細かいですが注力したところです。
DP:「デジモンワールド」シリーズ全般や本作の魅力はどこか教えてください。
横田:シリーズとしては「パートナーのデジモンとともに異世界を冒険する」、これを実感できることが一番の面白さだと思っています。またパートナーデジモンには寿命があるので、寿命までの間でいかに大事に育てられるか、どうお世話をするか、優しく接してあげるのかなど、どのように絆を育んでいくかが「デジモンワールド」シリーズにおいてとても大事な要素です。そのような自分だけの絆を深めたパートナーとともに、一緒に冒険する感覚を味わえるのが「デジモンワールド」シリーズの魅力だと思っています。
その上で今作の「デジモンワールド -next 0rder-」は、シリーズ初の2体同時での育成と冒険が可能となっています。そのため、テイマーとして育てる楽しさや難しさがありつつ、テイマーとそれぞれのデジモンとの絆、そして2体のデジモン同士の絆を見ることができます。例えばお互いに励まし合ったり、助けたりする、2体ならではの姿が見られるのが魅力だと思います。さらに、2体いるからこそできる「ExE」というバトル中の特殊進化や、街で「ジョグレス進化」できる部分は本作ならではの楽しさです。
DP:寿命でデジタマに戻るというのはデジモンならではだと思いつつ、育てたデジモンが寿命で死んでしまうのは、初めて触れる人には驚かれるかもしれませんね。
横田:手塩にかけて育てたパートナーですから、ちょっと悲しさはありますよね。寂しい気持ちもありますが、寿命は終わりではなくて、デジタマに戻り再び育てていける「出会い」に繋がっていると私は思っています。複雑な胸中ではありますが、様々なデジモンへと成長した姿への新たな出会いでもあるとポジティブにとらえてもらえると嬉しいです。
DP:久々にプレイした人や、初めてプレイする人たちに向けて、序盤おすすめのプレイスタイルはありますでしょうか?
横田:序盤の進め方でいうと…、私もそうだったのですが、すぐ街の外に出て冒険したい気持ちがあると思うんですよ。でも、幼年期のパートナーはまだ弱いので、敵が強く感じるはずです。なので、まずはトレーニングで鍛え、最低限成長期まで進化させてあげてほしいです。ただ私個人としては、もう少し頑張って成熟期までは育ててあげられたら、安定して冒険に出発できると思っています。トレーニングの育成方針としては、次の成熟期などの進化条件に影響のあるステータスを優先して伸ばしてあげましょう。進化したデジモンの方がもちろん強くなるので、進化に関わるステータスを集中してトレーニングしてあげるのが、序盤は良いと思います。それでもやはり、ご飯などのアイテムが足りなくなりますので、フィールドに出て敵が落とすアイテムや食べ物を適度に採集する必要はあります。ただし、序盤は回復アイテムの数が不足しがちなので、無理して強敵に挑まず、適度にトレーニングして鍛えて、絆を育んでから挑戦してみましょう。最初は時間がかかる感じを受けるとは思いますが、結果的に安定した冒険になるはずです。
DP:早期購入特典でオメガモンに進化できる「最騎核」、インペリアルドラモン:パラディンモードに進化できる「聖皇核」がついてきますが、その使い所はいかがでしょう?
横田:シンプルに、オメガモンとインペリアルドラモン:パラディンモードに進化させたいと思ったときに使うのが一番適切だと思います(笑)。真面目に具体例を挙げますと、進化をさせると進化した分ステータスが上がるので、物語の進行が厳しくなってきたと感じた時、「ここぞ」というタイミングで使用するのがベストだと思います。
DP:なるほど、強い敵と遭遇してもうひと押しほしい時に使うのも手ですね。また、序盤の敵にあわせた属性などで、オススメのデジモンはいますでしょうか?
横田:このデジモンが序盤攻略においてベスト!といったものはなく、最初は早めにトレーニングの限界がきて、寿命を迎えてしまうと思うので、好きなデジモンを育ててあげるのが一番楽しいと思います。最初はデジタマを10種類から選べるので、幼年期を見て「このデジモンはこれになるんじゃないかな?」と予想しつつ、育ててみるのが最初の一歩として良いと思います。
DP:確かにそれがモチベーションに繋がりそうですね。
横田:そうですね。序盤で有利不利はあまりないので、本当に好みで冒険してみてください。私はついついアグモンやガブモン狙いで育成しています(笑)。
DP:横田さんご自身が、初めてプレイされたときに印象に残っているデジモンはいますでしょうか?
横田:最初はアグモンとガブモンが好きなので狙って育てていました。ですが、一番印象に残っているのはゴマモンです。当初はアグモンやガブモンを目指し、その後グレイモンとガルルモンとは違うデジモンになり…と育成した後、そこから色々ほかのデジタマを選んで育成してみていました。そんな時、たまたまゴマモンになって、ゴマモンからイッカクモンに進化した時は、昔『デジモンアドベンチャー』を見ていてゴマモンが好きだったことを思い出し、バトルの勝敗関係ない部分で、改めて自分でパートナーを育てられたという達成感と喜びが湧き出て、印象に残りました。
DP:好きなデジモンになるとテンションが上りますよね。僕は育て上げた好きなデジモンが、ボス手前でデジタマに戻って、絶望的な気持ちになったことがあります(笑)。
横田:分かります。とてもつらいですよね。私もロン・リ炎山で道に迷っていたら、せっかくのウォーグレイモンがデジタマに戻ってしまったことがありショックでした。ただし、ステータスの引き継ぎがあり最初からのリセットではないので、この子を再び育て上げて次に進んでいくのも、ひとつの醍醐味だと思います。
DP:頑張って育て上げた究極体でも、意外と敵が強くて一筋縄でいかない場面も多々ありました。
横田:フィールドが広く自由に動き回れるので、気がつくと強いデジモンに当たることもありますよね。
DP:究極体だから無双できるわけはなく、ちゃんと考えて育成しないといけないですよね。
横田:そうですね、育成が肝になってきます。ですが、それだけだと疲れちゃうのと、ちょっと苦手だなという人向けにあるのが、今回用意したビギナーモードとなります。
DP:ストーリーを気持ちよく進められて、より楽しめますね。
横田:そうですね。やはり育成の過程で、ストレスを感じてしまう方も一定数いると思いますので。ラフに楽しみたい方にはビギナーモードがオススメですし、手ごたえを味わうために難易度を上げるのももちろんオススメの遊び方です。本作を通して、皆さまも思い思いのスタイルで多様なデジモンと出会い、たくさんの思い出を作ってもらえればと思います!改めて、2月22日より発売しておりますNintendo Switch版「デジモンワールド -next 0rder- INTERNATIONAL EDITION」をよろしくお願いいたします!
DP:今日はありがとうございました!
横田:ありがとうございました!
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